
シニアに人気の「マンション管理員」、その魅力とリアルに迫る
60代からの新しい仕事探しで、近年特に注目を集めているのが「マンション管理員」の仕事です。
「体力的な負担が少なそう」「安定して長く働けそう」「未経験でも始めやすそう」――そんなイメージから、多くのシニア世代が興味を持っています。
でも、実際のところはどうなのでしょうか?
- 毎日どんな仕事をするの?
- お給料はどれくらい?
- 資格がなくても本当に大丈夫?
- 人間関係で大変なことはない?
この記事では、そうした素朴な疑問に丁寧に答えながら、「マンション管理員」の仕事の魅力と、知っておくべきリアルな部分をわかりやすく解説します。
読み終わる頃には、あなたが管理員として働くイメージがきっと具体的に浮かんでくるはずです。さっそく見ていきましょう。
マンション管理員の仕事内容って、具体的に何をするの?
マンション管理員の仕事は、一言でいえば「マンションの住民が安全・快適に暮らせるように、建物を維持・管理し、日々の生活をサポートすること」。
主な業務は以下の5つに分かれます。
① 日常清掃業務
共用部分を清潔に保ち、住民が毎日気持ちよく過ごせる環境を維持する、最も基本的な業務です。
- **主な清掃場所 ** エントランス、廊下、階段、エレベーター、ゴミ置き場、駐輪場など
- 掃き掃除・拭き掃除が中心。専門的な機械を使う大規模な清掃は、専門の清掃業者が担当することがほとんどです。
② 点検・巡回業務
マンションの設備や建物の状態を確認し、異常がないかをチェックする、安全を守るための重要な業務です。
- **点検内容例 **
* 住民の方が夜道で不安にならないよう、共用部の電球をチェックし、切れていれば交換します。
* エレベーターや消防設備、貯水槽などに異音や異常がないか、目視で安全を確認します。
* 壁や床、手すりなどに破損がないかを確認し、事故を未然に防ぎます。
- 専門的な修理作業は行わず、異常を発見した場合は管理会社へ速やかに報告するのが基本です。
③ 受付・窓口業務
管理員は「マンションの顔」として、住民や来訪者に対応します。
- **業務内容例 **
* マンションの安全と品位を保つため、来訪者の対応や施設案内を丁寧に行います。
* 入退去届や、集会室・駐車場といった共用施設の予約を受付・管理します。
* 住民からの簡単な依頼や相談に対応します。(例 「電球が切れているので交換してほしい」「粗大ごみの出し方を教えてほしい」など)
④ 立ち会い業務
専門業者が行う点検や工事、あるいはゴミ収集などに立ち会い、作業がスムーズに進むようにサポートします。
- 消防設備点検、エレベーター点検などの定期点検
- 貯水槽清掃、ゴミ収集への対応
- 引っ越し作業時の見守りや、住民への声かけなど
⑤ 報告・事務業務
日々の業務内容を記録し、必要に応じて管理会社と連携する、正確性が求められる業務です。
- 業務日報の作成(日々の出来事、点検結果、住民からの要望などを記録)
- 管理組合からのお知らせや回覧板などの作成・掲示
- 管理会社への定期的な連絡・報告
マンション管理員になるには?資格や経験は必要?
「専門的な仕事のようだけど、自分にもできるだろうか?」と不安に思う方もいるかもしれません。でも、ご安心ください。
結論 未経験者歓迎の求人がほとんど!
管理員の多くは未経験でスタートしています。採用で重視されるのは、スキルよりも「誠実さ」や「責任感」、「基本的な対人マナー」といった人柄の部分です。
シニア世代の豊富な人生経験がそのまま活かせる職場です。
あれば有利な資格や経験は?
**必須ではありませんが、あると有利な資格・経験 **
- 防災センター要員、自衛消防技術認定
- 危険物取扱者(乙種4類)
- 管理業務主任者・マンション管理士
- 接客や営業など、人と接する業務の経験
- 基本的なPCスキル(日報記録など)
【採用担当者の視点】どんな人が向いている?
採用の現場で「この人にぜひ来てほしい」と感じるのは、以下のような方です。
**採用担当者のコメント **
「トラブルがあっても冷静に対応できる方、細やかに掃除や点検をこなせる方はとても重宝します。誠実な対応ができる方は年齢関係なく歓迎です。これらは特別なスキルではなく、これまで真面目に社会人生活を送ってこられた方なら、誰もが持っている素晴らしい強みなんですよ。」
給料・待遇・働き方のリアル
平均的な給与・時給の相場
- **パート・アルバイト ** 時給1,100円〜1,300円(首都圏の場合)
- **契約社員・正社員 ** 月収18万〜25万円前後
「年金+α」の安定収入として働く方が多いのが特徴です。
雇用形態の種類
- 多くは契約社員またはパートでの採用です。
- 夫婦での住み込み管理人としての採用や、複数の物件を担当する巡回管理といった働き方もあります。
勤務時間と休日
- 平日の8:00〜17:00前後が一般的です。
- 土日休みも多いですが、住民の在宅率が高い土日に出勤するシフト制の職場もあります。
- 常駐勤務、住み込み勤務、巡回勤務など、多様な働き方が選べるのも魅力です。
1日のスケジュール例(常駐型)
時間帯 | 内容 |
---|---|
08:00 | 出勤・ゴミ置き場の確認・整理 |
09:00 | 共用部分の清掃(エントランス、廊下など) |
11:00 | 建物内外の巡回・点検業務 |
12:00 | 昼休憩 |
13:00 | 受付・窓口対応、事務作業 |
15:00 | 掲示物の作成・報告書記入 |
17:00 | 業務終了・退勤 |
マンション管理員の「やりがい」と「大変な点」(本音トーク)
この仕事の3つの「やりがい」
- 住民からの感謝の声を直接もらえる
- 自分のペースで仕事を進めやすい
- 清掃などの成果が目に見える達成感
知っておきたい3つの「大変な点」
- 理不尽な要求など、住民対応が難しい場合も
- 一人作業が多く、孤独を感じることがある
- 巡回やゴミ出しなど、見た目以上に体力を使う業務もある
一目でわかる やりがいと大変さの比較表
やりがい | 大変な点 |
---|---|
「ありがとう」という言葉が直接聞ける | 一部の住民とのコミュニケーションが難しいことがある |
自分の裁量で仕事のペースを調整しやすい | 基本的に一人での業務が多く、孤独を感じることもある |
成果(清掃など)が目に見えて達成感がある | 巡回や掃除など、体を動かす業務が多く意外と体力がいる |
まとめ マンション管理員は、安定して長く続けたいシニアにおすすめの仕事
マンション管理員の仕事は、「誰かの役に立つことにやりがいを感じる方」「安定した環境で、無理なく働き続けたい方」にぴったりの選択肢です。
年齢を問わず、これまでの人生経験そのものを活かして活躍でき、必要なスキルは現場で学ぶことができます。
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